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☆ぢゅnn’s おりぢなる☆

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2008年 03月 11日

25200/2秒

決勝の朝は 快晴

最終的な点検を終わりスタートラインに並べる

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スタートはノボ

目立ちたがり屋でお調子者のノボ
ちょっといらついたりしたが ここにいられるのはまぎれもなく
こいつのクレージーな走りのおかげだ。




25200/2秒_e0080589_2271771.jpg




うわ~~~
RC30でこんなにいっぱい 後ろ作っちゃったよ
はしゃぐ ノボ

このくそ野郎!!!  笑

オープニングラップでこけたら お前おいて帰るぞ!!!!


25200/2秒_e0080589_1253193.jpg



決勝スタートは 気持ち良かった 一斉に爆音とともに1コーナーにみんな消えていく


最終コーナーを立ち上がってくバイクは 数台が高々とフロントをあげて
ものすごい速度で 通過して行く

ノボが来た
例外なく フロントは上がってた 彼は誰よりも長く高く 上がってた
スポンサーについて頂いたレディオ湘南の周波数をゼッケンにした83.1
これが見えない位 高いウィーリーだ。

1コーナー近くまでウィーリーで抜けて行った



他のチームは自分たちのバイクがオープニングラップを
通過して行く姿を 歓声で迎えてる


俺らは
ったく あいつ何やってんだ!!
こけたら 絶対殴ってやる

罵声が飛ぶ    笑

そしてすぐに赤旗
そうレース中止 中断である

ノボは無事だったが
大変な事故が起きた
若手で将来有望だった 大島  正という選手が亡くなった

レースは仕切り直し
再スタートが切られた

淡々と時間が経過する


暑さで交代したライダーは 子供用プールで体を冷やす。
中盤過ぎた頃

サインボード出してた奴から
トシが来ないとの 連絡をもらう
一斉にコースモニターにかじりつくクルー

130Rで 転倒してるトシが映る
130Rとはこのコースで一番スピードが出てるコーナーである

本人は救急車で運ばれる。

場内放送で我がチームの代表が呼ばれる
顔色を失って奥さんが走ってメディカルセンターに向かう
本人の無事が確認できたが、足をひどく損傷してる
通常なら 皮つなぎをハサミで切られ脱がされるのだが
激痛に耐え自分で脱いだという
つなぎを切られたら残りのレース走れないからだ


こいつら 狂ってる


戻ってきたバイクはボロボロ
砂と砂利だらけ
前のタイヤは斜めで シャフトが折れてる
ブレーキもない、キャブは砂まみれ
カウルは原型をとどめない



終わった




みんな同時に思った




責任者であるトシにこの後の行動をゆだねた






みんな耳を疑った






直してくれ

ベッドで横たわるトシが言った





あのね バイクみた?
フロント折れてるよ


言う俺の言葉を消すように
怒鳴る

直せっつてるだろ!!!
楽しみはチェッカーにあるんだよ

早く直せ!

ゴールまであと3時間弱ある
最後は押して一周してもいい
とにかく あきらめるな


修理のために バイクに触れるのは4人
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5人目が触った時点で失格になる。

壊れた部品を外す所から始める

残ったのはフレームとエンジンのみ
後はバラバラ


さて組んで行こうがパーツなど限られている


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そして そこに俺れがはずしていくパーツを確認してる隣のチームの奴らが いた

同時に彼らの部品取り車からどんどんパーツが外れてく
次の瞬間 パーツが吹っ飛んでくる

ブレーキだ 受け取れ!
ほい

次 ハンドル!!

何やってんだ!!
この工具つかえ!!!

工具が宙を飛ぶ



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キャブを外すとトシに渡す
彼も必死にキャブをばらす

フロント周りはほとんど 入れ替わった
後ろのタイヤも装着できた

キャブもついた

カウルもガムテープでなおす

そして 火を入れる
エンジンが かかった
周りから   おお!!!!っと 声が上がる
修理中つなぎを脱がずに着たまま待っていたノボが跨いだ。

最後にブレーキとクラッチの確認
若干高さを変える

握ってギアが入る


そして

ぽんっと 肩を叩いた。
GOのサインだ。


その瞬間リアタイヤをものすごいホイルスピンさせて出てくノボ

やった!! 走った!!!!
大声をあげたと同時にピットの周りから大歓声が 上がった。
そして 大きな拍手
上から見ててくれた 観衆 両隣のピット オフィシャル
俺らは抱き合って泣いた。


みんな あきらめてた。
だめだな あきらめちゃ
修理時間は2時間近くかったかな?


ゴールはもうすぐだった

やはり夕立が来た

無難にタイヤ交換をこなす。


練習の成果が発揮された。

このままで行くと トシの規定周回が足りない
痛む足を引きずり ばいくに乗るトシ


最低の数分をこなし
再びノボに交代
もう無茶をしないノボ

25200秒が経過した。
そして チェッカー

ゴールは もう覚えていないくらい泣いたよ。


ゴール後は車両保管される
そこはスクラップ置き場のように ぼろぼろのバイクが並ぶ

そう雨で転びなおし復活してったバイクが ほとんどなのだ
それもゴール後しばらくして気がついた
みんな 苦労して直して ゴールまでこのスクラップを持ってきた。

しばらくゴールの余韻に浸ってると
ものすごい拍手が沸いた
最終ライダーがゴールしたのだ


押して・・・。
ゴールで倒れこんだ。




俺らのリザルト
チームスラクストン レディオ湘南
出走65台中58位
規定周回数完走という形で ゴールした。

リザルト



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バイクって 友情 団結 感動 そして絆をくれるんだな


単なる道具ではない



素敵な物だ




バイクを介して3日で3回泣いた

ありがとう仲間 そして さんまる


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そして 1999 夏   恐怖の大王は来なかった

by kemunpusj | 2008-03-11 22:40 | bike


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